建設業界に興味はあるけれど、「足場の仕事って危なそう」「体力勝負で長く続けられるのか不安」という声は、未経験の方からよく聞かれます。たしかに高所作業や重い資材の運搬など、足場職には体を使う場面が多いのは事実です。しかし、業界全体での人材不足を背景に、未経験者を一から育てていく体制を整える会社も年々増えてきました。
道具の使い方や作業の基本、安全に対する考え方まで、最初は先輩がマンツーマンで教えてくれる環境が一般的です。入社後に必要な資格を会社負担で取得できる制度も浸透しつつあり、「何も知らなくても、ここから始められる」という実感を持てるようになってきています。未経験からでも、自信をつけていける仕組みが整ってきているのです。
足場業界が求める人材と、その背景
現在、足場業界では幅広い層の人材が求められています。理由のひとつは、建設現場の多様化です。高層ビルだけでなく、住宅や商業施設、さらには太陽光パネルの設置など、足場が必要とされる現場は増え続けています。その一方で、若年層の建設業離れや高齢化による人手不足が深刻になっており、業界全体で人材確保が喫緊の課題となっています。
そのため、多くの企業が「未経験歓迎」「異業種からの転職可」「シニア層も活躍中」など、幅広い層を対象に求人を行うようになっています。以前は「若くて体力がある人」が好まれていた傾向もありましたが、今では年齢よりも「誠実さ」や「継続して働ける意欲」を重視する企業が増えています。これは働く側にとって、門戸が広がったともいえる状況です。
また、短期的な人手ではなく、長期的に一緒に働ける人を探す傾向が強くなっているため、腰を据えて働きたいと考える人にとっては、まさにチャンスと言えるでしょう。
「職人」から「チームの柱」へ。キャリアパスの可能性
足場の仕事は、年齢を重ねるごとに次のステージへと進む道が用意されています。最初は現場での作業が中心ですが、経験を積むうちに後輩の指導や、安全管理、現場の段取りなど、より責任ある役割を担うようになります。「職長」や「現場リーダー」といったポジションに就くことで、単なる作業者ではなく、チーム全体を支える存在として活躍することができるのです。
このような役職は、年齢とともに体力が落ちてきたとしても、現場に関わり続けられる道でもあります。長く続けることで蓄積された「段取り力」「現場判断力」「人との信頼関係」が、若手にはない武器として活かせるようになります。
さらに、将来的には安全衛生管理者や施工管理職、営業との橋渡し役など、現場を超えたポジションに進む人も少なくありません。足場業界は「現場=若手の仕事」というイメージが強いかもしれませんが、実際には年齢を重ねるごとに活躍の場が広がっていく仕事でもあるのです。
長く働き続けるための工夫と会社のサポート
足場職は体を使う仕事であることに変わりはありませんが、それだけで「続けられない」と決めつける必要はありません。実際には、年齢を重ねても無理なく働けるよう、さまざまな工夫や仕組みが業界内で広がっています。
まず、安全面と効率性を重視した作業方法の見直しが進んでいます。たとえば、資材の搬入時には台車やクレーンを活用する、無理な持ち上げ作業を避ける動線設計を行うなど、体への負担を軽減する工夫が浸透してきました。また、チームで動く作業が基本のため、互いにフォローしながら仕事を進める風土が根づいている現場も増えています。
次に、現場外の役割へと自然に移行できる体制を整える会社もあります。たとえば、若手の教育係としてのポジションや、安全管理を担う補佐役など、体力だけでなく「経験」を活かせるポジションを用意している企業も多く見られます。これは、職人としての知見を後輩に伝えることで、次世代の育成にもつながる重要な役割です。
さらに、働き方そのものにも柔軟性が生まれています。週休2日制を導入する会社や、時短勤務を取り入れるケースも増加傾向にあり、「ずっと現場に立ち続ける」以外の働き方が模索されています。もちろんすべての会社が同様とは限りませんが、信頼できる企業では、年齢やライフスタイルの変化に応じたサポートがあることが少なくありません。
こうした環境の中で、自分に合った働き方を見つけられれば、足場の仕事は決して短命な職ではありません。今だけでなく、5年後、10年後の自分を想像して、その道を一緒に描いてくれる職場を見つけることが大切です。
主要な求人情報については、以下のページからご覧いただけます。
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「年齢を味方に変える」足場職のキャリア戦略
年齢を重ねることで体力の変化を感じ始めたとき、「そろそろ引退かもしれない」と考える人もいます。しかし、足場業界ではその判断を急ぐ必要はありません。むしろ、これまでの経験を活かし、新しい働き方に移行するタイミングと捉えることもできます。
たとえば、現場の若手たちは高い身体能力で作業をこなす一方で、現場全体を見渡した判断力やトラブル対応力には、まだ課題を抱えていることもあります。そうした場面で、長年の経験に裏打ちされた「勘」や「対応力」が求められます。経験者の存在が現場に安心感をもたらすことは、誰よりも現場の職人たちがよく知っています。
また、業界としてもベテラン人材の重要性は高まっています。建設業界全体で55歳以上の就業者が約4割を占めているという現状は、ベテランの支えなくして現場が回らないことを示しています。それだけに、定年を一律に設けず、スキルや役割に応じて柔軟に働き方を調整する企業も出てきています。
年齢を理由に退職を考える前に、「この先、どんな役割を担えるのか?」という視点で考えてみることが重要です。現場の第一線で働くことも選択肢の一つですが、他にも後進の育成、品質管理、社内教育といった多様な道が広がっています。自分の力を発揮できるポジションがある限り、足場の仕事に“引退”という言葉は必要ありません。
働き方は、もっと自由であっていい
足場職の世界は、ひと昔前の「厳しさ一辺倒」なイメージから、少しずつ変わり始めています。年齢や経験、体力に応じた働き方の選択肢が広がり、自分らしいキャリアを築ける環境が整いつつあるのです。
とはいえ、「本当に自分にできるのか」「今から始めて間に合うのか」といった不安がすぐに消えるわけではありません。だからこそ、焦らず、まずは情報を集め、信頼できる会社と出会うことが第一歩になります。無理に急ぐ必要はありません。納得いく形で、自分に合った働き方を見つけていけばいいのです。
もし不安や疑問がある場合は、遠慮なく相談してみてください。あなたの気持ちに寄り添ってくれる人や会社は、きっと見つかります。
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