「足場鳶（とび）」という仕事に、どんなイメージをお持ちでしょうか。高いところでの作業が多く、体力も必要そう。そんな印象から、「未経験では難しいのでは」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
ですが実際には、未経験からこの道に進む方は多く、広島でも新たな人材を積極的に受け入れている企業があります。必要なのは、今の時点での知識や経験よりも「やってみたい」という前向きな気持ち。先輩が丁寧に教えてくれる職場であれば、一歩ずつ着実に成長していけます。
本記事では、広島で足場鳶の仕事に興味を持った方に向けて、「そもそも足場鳶とはどんな仕事なのか」「どんな人が向いているのか」「未経験から始めるにはどうすればよいか」などをわかりやすくお伝えしていきます。
堅苦しい話ではなく、できるだけ身近な言葉でご紹介しますので、少しでもご興味がある方は、どうぞ最後までお付き合いください。
足場鳶の仕事とは？未経験でもできる内容を紹介
建物を建てたり、直したりする工事現場では、まず作業を安全に進めるための「足場」を組むところから始まります。この足場を組み立てたり解体したりする専門職が「足場鳶」です。現場で働く職人さんたちが安心して動けるように、しっかりとした土台をつくる大切な役割を担っています。
足場鳶の仕事は、「高所での作業」「体力が必要」といった印象が強いかもしれません。確かに、慣れるまでは大変に感じることもあるでしょう。でも、最初から難しいことを任されるわけではありません。未経験の方には、まずは地上での作業や道具の準備、材料運びなど、基本的なことから一つずつ丁寧に教えていくのが一般的です。
たとえば、足場の部材には名前や使い方があるので、それを覚えるところから始めます。「この道具は何に使うのか」「どう持てば安全か」といったことを、現場で先輩がそばにいて教えてくれるので、不安を感じずに作業に取り組めます。工具の扱いに慣れてくると、徐々に組立作業にも携われるようになります。
また、足場にはいくつかの種類があります。戸建て住宅で使われる「クサビ式足場」や、大きな建物に使われる「枠組足場」など、現場ごとに特徴がありますが、それも経験を積むうちに自然と理解できるようになります。最初は言葉の意味もわからなくて当然。焦らず、少しずつ慣れていけば大丈夫です。
足場鳶は、決して一人で黙々と作業する仕事ではありません。仲間と声を掛け合い、タイミングを合わせながら安全に作業を進めるチームワークが欠かせない職種です。だからこそ、現場には自然と仲間意識や信頼関係が生まれ、安心して働ける環境が築かれていきます。
未経験から始めるときに必要な資格やスキルは？
足場鳶の仕事に興味はあるけれど、「特別な資格や技術がないと働けないのでは…？」と不安に思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし実際には、多くの現場で未経験の方を歓迎しており、入社時点で資格や特別なスキルが必要というわけではありません。
大切なのは、「仕事を覚えたい」「手に職をつけたい」という意欲です。体を動かすことが好きな方、人と協力して作業するのが得意な方は、自然とこの仕事に馴染んでいけるでしょう。
もちろん、現場では安全第一です。だからこそ、会社に入ってから必要な知識や技術をしっかりと学べるような体制が整っている職場を選ぶことが大切です。たとえば「足場の組立て等作業従事者特別教育」などの講習は、未経験の方でも受けられる内容になっており、会社が費用を負担してくれる場合もあります。
また、経験を積んでいく中で「足場の組立等作業主任者」や「とび技能士」といった国家資格に挑戦する方も多くいます。これらの資格は、現場での信頼を得られるだけでなく、将来的に職長や管理者として活躍する道にもつながります。
スキルという点で言えば、最初は難しいことを求められるわけではありません。挨拶ができる、道具を大切に扱う、人の話をよく聞く――そんな基本的なことが、現場ではとても大切にされます。先輩の作業を見て学びながら、一つずつ仕事を覚えていけばよいのです。
焦らず、自分のペースで経験を積んでいくこと。わからないことがあればすぐに聞ける環境があること。それが、未経験からでも安心して始められる理由のひとつです。
広島で足場鳶として働くメリットとは
足場鳶の仕事は全国どこにでもありますが、広島で働くことにはいくつかの魅力があります。地元で働きたい方や、長く安定して働ける仕事を探している方にとって、広島の足場業界は意外と身近で、働きやすい環境が整っているのです。
まず一つ目のメリットは、現場が地元中心であること。足場鳶の仕事はどうしても現場に出向く必要がありますが、広島に拠点を置く会社であれば、移動距離が比較的短く、毎日無理のない通勤ができるのが魅力です。遠方への出張が続くような働き方ではなく、暮らしと仕事のバランスをとりやすい点は、特に家庭を持つ方にも喜ばれています。
次に、仕事の安定性です。広島は都市部と自然が程よく混ざったエリアで、住宅や建物の建築・修繕も多くあります。新築の住宅やマンションだけでなく、古くなった建物の改修工事や塗り替えなど、足場を必要とする現場が数多くあるため、年間を通して一定の需要があるのです。地域に根ざした会社では、仕事が切れにくく、安心して長く働ける環境が整っています。
さらに、広島ならではの人の温かさも大きな魅力です。現場の作業は、互いに声をかけ合って安全を守ることが何より大切。そのため、自然と仲間意識が生まれやすく、人とのつながりを大切にしたい方にはぴったりの職場です。ベテランの先輩も、気さくに声をかけてくれることが多く、わからないことも聞きやすい雰囲気があります。
地元で働きながら、確かな技術を身につけられる足場鳶の仕事。広島でその一歩を踏み出すことは、安定した未来への確かな選択肢になるかもしれません。
足場鳶のやりがいと将来性について知っておこう
足場鳶の仕事は、見た目以上に奥深く、やりがいのある仕事です。現場ごとに建物の形も違えば、必要な足場の組み方も異なります。その都度、どうすれば安全で作業しやすい足場になるかを考え、実際に形にしていく。この“考えてつくる”という部分に、職人としての面白さがあります。
足場がしっかりと組まれてはじめて、大工さんや塗装職人さんが安心して作業を進めることができます。自分たちの手で現場全体の土台をつくっているという自負は、大きなやりがいにつながります。また、工事が終わって足場を外すとき、自分たちが支えてきた建物がきれいに仕上がっている様子を見ると、達成感もひとしおです。
将来性の面でも、足場鳶は注目されています。建設業界は今、若い世代の担い手が少なくなっており、経験を積んだ職人の価値がますます高まっています。未経験から始めて、技術を身につけていけば、将来的には「職長」として現場全体を任される立場になることもできますし、独立して自分の会社を持つ人もいます。
資格を取得することで、さらに道は広がります。「とび技能士」や「足場の組立て等作業主任者」といった資格は、現場での信頼を得るだけでなく、給与や待遇にも良い影響を与えることがあります。努力がきちんと形になる世界なので、真面目に取り組めば取り組むほど、未来への選択肢は広がっていきます。
何より、足場鳶は“人の安全を支える”仕事です。見えないところで多くの人を支えているという誇りを持てるのは、他の仕事にはない魅力のひとつかもしれません。
まとめ
足場鳶の仕事は、未経験からでも安心して始められ、技術を身につけて成長していける職種です。広島では地域に根ざした建設現場が多く、地元で腰を据えて働きたい方にとっても、働きやすい環境が整っています。
はじめの一歩は勇気がいるかもしれませんが、仲間と支え合いながら進める仕事だからこそ、不安を感じずに挑戦できます。今、少しでも気になった方は、その気持ちを大切にして、一歩踏み出してみてください。
